放射性セシウムの吸着力が強い「磁性化ゼオライト」を開発した
愛媛大農学部の逸見彰男教授(65)らのグループは17日、
福島県内の放射能汚染土壌で実証実験を行った結果、90%前後の
高い除染率が確認されたと発表した。
ゼオライトはセシウムを吸着することから、東日本大震災による
東京電力福島第1原発の事故以降、除染剤として注目を集めている。
逸見教授らが開発した人工鉱物である磁性化ゼオライトは、
結晶の穴がセシウムイオンとほぼ同じ大きさの0・36ナノ(ナノは10億分の1)
メートルのため、セシウムだけを効率的に集めることができる。
また、火力発電所の焼却灰を原料としているため、1キロ200円程度と低コストなのが特徴。
同県川俣町と飯館村などで行われた実証実験では、セシウムを吸着した
磁性化ゼオライトを取り出すために新たに開発された「磁選機」を投入。
水で撹拌(かくばん)した土壌を磁選機に通したところ、
川俣町では土壌1キロあたり1700ベクレルが121ベクレル(除染率約93%)、
飯館村では1万3000ベクレルが1360ベクレル(同約90%)となり、
いずれも高い除染効果が認められた。
逸見教授らは、今年度も同じ場所で実証実験を行い、今回の技術のより効率的、
効果的な手法確立をめざす。
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