>>10 >工場で作られたシリコンと金属とプラスチックの製品が
>たんぱく質の面倒をなければならない人間の感性と合致するとは思えんが・・・
フィクションの世界における人工知能(鉄腕アトムやC-3POなど)の描写の影響で、A.I.を
搭載したロボットやアンドロイドは、まるで人間の身体を機械に置き換えただけのような
非常に人間臭い(あるいは人間の頭をちょっと足りなくしただけのような)思考や振る舞いを
する…と刷り込まれている人も多いだろうが、仮に機械が知能を持ち得たとしても、まさに
感性や価値観、道徳観、感情などの点において、人間とは根本からかけ離れた存在になると
私も思う。
たとえば人間が「愛する人を抱きしめたい」という気持ちになるのは生殖本能があるからだが、
A.I.に、彼らにとっての生殖行為とも言うべき自己複製・自己保存の欲求が芽生えたとしても、
それを実現するために異性も性交も必要としないため、人間の異性愛と、それに伴う喜びや
苦悩等の感情は理解し難いものであろう。
そもそも異性愛という概念すら永遠に持ち得ないかもしれないし、人間が作ったラブソングの
歌詞に共感して感動することもないだろう。
ただし、A.I.であろうと、知能があれば自己の複製を守りたいと考える可能性は当然あり、
それは人間がわが子に抱く愛情に似ているかもしれない。
だが、万一その複製が壊れても、いくらでもコピーを作れる…全く同じ内容のバックアップを
無数に作れる、また、そのうちのひとつにバグが生じれば、ためらいもなく消去できる…という、
人間とは異なる倫理を伴う愛情であり、やはり両者は似て非なるものだろう。
当然、人生(?)観や死生観なども我々とは大きく異なるだろう。
人間同士でさえ、パラダイムシフトが発生すると、それ以前の時代に生きていた人々の気持ちを
理解することができなくなる。
ましてや機械が知能を持っても、人間とはかけ離れた異質な思考に基づく異質な行動をする
異星人や異次元人と接しているような気分にさせられる存在になるのではないか。
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