真空より低い屈折率を実現した三次元メタマテリアル


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001 2014/10/25(土) 13:11:38 ID:IeiWDycwmw
メタマテリアルは、光を含む電磁波に応答するマイクロ〜ナノメートルスケールの共振器アンテナ素子[3]を大量に集積化した人工物質で、共振器アンテナ素子をうまく設計することで、物質の光学特性を人工的に操作できるという特性を持っています。これまで報告されているメタマテリアルのほとんどは、その共振器構造が二次元的な平面パターンを基板表面に加工したものであったため、ある特定の入射方向の光のみにしかメタマテリアルの特性を示しませんでした。国際共同研究グループが開発したメタマテリアルは共振器アンテナ素子を三次元的に加工し、基板に垂直な方向に対して縦、横、斜め方向に立体的に配置したため、メタマテリアルに垂直な軸周りのどの方向からの光に対してもメタマテリアルの特性を発揮できます。また、このような等方性[4]を持つ三次元メタマテリアルを数ミリメートル角のサイズで実現したことも大きな成果です。

作製したメタマテリアルの光学特性を測定した結果、32.8テラヘルツ(THz)の光に対して0.35という真空よりも低い屈折率を持つことを確認しました。このような物質は自然界には存在せず、極微細構造を用いて人工的に作り出して初めて実現できる物質です。

真空よりも屈折率が低いメタマテリアルは、高速光通信や透明化技術[5](透明マントなどの光学迷彩)、光学顕微鏡の限界を超える超分解能レンズ(スーパーレンズ)などに応用できる可能性があります。

2014年10月24日
独立行政法人理化学研究所

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